『忘しぇねがらね 』2 ……「 想い出」 ある日ある時のことなど……


武山 一 さん、よしゑさん夫妻のこと


●長兄・はじめちゃんへ
 年が離れていたので、小さい時に遊んだ記憶はあまりないけど、はじめちゃんはスポーツマンだったね。足が早く村の運動会では、徒競走や棒高跳びの選手としてよく選ばれてた。結果はどうだったか思い出せないが、年とってからはゲートボールを楽しんでいたんだよね。

 家は農家で、米や畑をわずかながら作ってて、田植え時期は弟の私もヒルに吸われながらよく手伝ってたよね。畑の土おこしもしたね。タバコの葉の栽培や葦(北上川河口)を舟で刈り取って来ては、自宅前の道路いっぱいに広げて乾燥してから出荷していた(炭を入れるのに使っていたらしい)。自分も「嫌だったけどよく手伝いしていたナア」と思い返しています。

 写真は、震災前年の6月15〜16日、武山兄弟会を松島のホテル壮観でやった時のスナップだよ。この写真が最後となるとはね。

 震災の時、はじめちゃんの息子は石巻で仕事をしていたので難を逃れましたよ。その後はしばらく飯野川の叔母宅で、住宅を流された知合いも含めて生活、約1年半ばかり行方不明者の捜索を手伝っていました。今は小船越(上品の郷近く)の一軒家(中古住宅)を買って、妹(長面)と妹の義母の3人で暮らしているよ。残念ながら妹の旦那(長面・熱海惣悦さん)は震災で亡くなりましたが。

 ついでだけど、石巻水明町に嫁いだ長女は、床上浸水60cm超えでしたが皆無事でした。
 つらい試練だったけど、少しは安心して天上でゆっくりカラオケやゲートボールを楽しんでくださいね。
                   
●よしゑ義姉のこと
「ほんとうにいつもニコニコ顔、それしか浮かんでこないなあ。家庭を守る理想的なお嫁さんかな。おだやかで従順で、文句ひとつ言わなかった人でした」
             (弟・ヒロシ 2014年3月)


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        オリオンの311の星 管理人:松原A
(昭和16年生れ、長面)

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