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   (お釈迦様の遺徳をしのぶ和讃)
  
  沙羅林中円寂塔    三世の諸仏ことごとく
  非滅なれども滅ありと 示現し給ふ所なり
  倶尸那城には西北方  抜河には西の岸 
  沙羅双樹の間にて   純蛇が供養うけ給ふ
  菩薩賢聖天人衆    十方界より飛び来り
  供養海雲みちみちて  十二由旬ひまもなし
  世間もとより常になし これをぞ生死の法といふ
  生をも滅をも滅しおへ 寂滅なるをぞ楽とする
  一切衆生ことごとく  常住仏性そなはれり
  佛は常に世にゐます  実には変易ましまさず
  二月十五のあしたより これらの妙法説き終えて
  漸く中夜にいたるほど 頭を北に臥し給ふ
  娑婆の一化はこの時に ながく隔り給ひにき
  栴檀けむり尽きおへて 舎利を分かちて去りにき
  慧日すでに暮れおへて 生死の長夜やみふかし
  いかなる便りを得てかは 輪廻の里をば離るべき

    如来証涅槃
    永断於生死
    若有至心聴
    常得無量楽

        昭和五十二年節分の日  信州小諸にて 祖道


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*倶尸那城=くしな城

*抜提河=ばっていが

*如来証涅槃 (如来は涅槃を証して)
 永断於生死 (永く生死を断つ)
 若有至心聴 (もし至心に聴くものあらば)
 常得無量楽 (常に無量の楽を得ん)       涅槃経の一節



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